
第2款は特定労働者派遣の事業許可についてです。
一般労働者派遣との大きな違いは次の3点です。 許可制ではなく、届出制であること。 資産要件が特にないこと。 自社で常用の従業員しか派遣できないこと。
特定労働者派遣は業務請負や出向と似ていますが、きちんと区別されています。 業務請負のようであっても、指揮命令者や管理監督者が元請(派遣先)であるときや、 元請(派遣先)の従業員と一緒に作業することが必要な場合。料金の設定が人数単位や、 時間単価となっているときは、やはり派遣です。 出向先(派遣先)と出向(派遣)スタッフとの間での雇用契約がないときも派遣です。 商品開発やプログラム作成、IT管理、製造現場など等・・・ 派遣先(元請、出向先、他社との共同作業)に自社社員を常駐させたいときなどは、 特定労働者派遣の出番です。
1〜3 特定労働者派遣は届出制です。 届出す書類は、一般労働者派遣の許可申請と同様で、第5条2〜4項の 一般労働者派遣を特定労働者派遣と読み替えればOKです。
ここも、一般労働者派遣の第6条と同じです。
特定労働者派検の事業主は、事業所ごとに、届出書類を提出してあることの証明と、 その他届出書に添付した書類を備え付けます。関係者(お役所や派遣先、派遣スタッフ等) に請求されたときには、提示できるようにしましょう。
ここも、一般労働者派遣の第11条1,2項と同じです。遅滞なく届け出ましょう。
派遣元事業主は、特定労働者派遣事業を廃止したときは、遅滞なく、届け出ましょう。
1 特定労働者派遣は、届出制ではあっても第6条の欠格事由に該当するときには、 厚生労働大臣から事業廃止命令があります。
2 、派遣法、職業安定法に基づく命令や処分に違反したときも同様に事業廃止が命令されます。
特定労働者派遣の名義貸しは禁止。
特定労働者派遣は、まじめな請負会社が持つべきもう一つの顔です。
平成16年から、製造業への派遣が解禁されました。 と言うよりも、禁止業種以外への派遣の全面的解禁です。 製造現場では、それまで業務請負という形で対応していましたが、この改正に伴い 派遣への切り替えが進んでいます。 派遣法で対応していないから請負で対応と言うことだったんですが、 ほぼ全面的に派遣がOKという状態になったため、 請負業のあり方が、浮き彫りになった形です。 このときから、偽装請負・擬似派遣の取締りが強化されました。 H18〜19年には、キャノン、松下電器、トヨタ、いすゞなど等、日本を代表する企業も 偽装請負を受け入れていたことが発覚しました。 さて、ここからが本題です。 大きな工場構内で、元請さんとしっかり密着した仕事をしている業務請負会社は たくさんあります。きちんと請負と確認できる仕事はかまわないのですが、 「あっちの仕事を手伝ってくれ」、「この業務は、おたくでできないか?」という 頼まれ仕事も多いはずです。それに新規の仕事があると聞けば、 一枚噛みたいのも当然です。元請さんからの指揮命令を受けての作業や、 他社の従業員と一緒に作業しては請負にはなりません。設備や作業具も必要です。 そんなときこそ、特定労働者派遣が必要です。 頼まれ仕事や新規の仕事に、自社の社員の作業分担を変えて対応するときに 特定労働者派遣で対応できます。 但し2つほど確認してください。 特定労働者派遣は、常用従業員(社員)を派遣しなければなりません。 そのときだけのために採用したりしてはいけません。それでは一般派遣です。 それと、元請さんとの契約を、従来から行っている問題のない請負契約とは別に、 作業ごとの派遣契約も結ぶ必要があります。 確かに手間はかかります。リスクもあります。しかし、元請さんとガッチリタッグを組むなら、 コンプライアンスはとても重要なことです。