
派遣会社の任務・責任って何でしょう? いろいろと考えられますが、実は仕事と人のミスマッチの解消が一番ではないでしょうか? 派遣ではなく、自社採用の募集もたくさんあるはずなのに、働く人も受け入れる企業も 派遣を選ぶのは、選択肢の豊富さと、マッチングのためのコンサルティングが 大きな理由にあげられます。 働く人は、豊富な仕事から自分に合う仕事を選ぶ手助けを受けられる。 受入企業は、派遣会社の面談済み、スキルチェック済みの人材を得ることができる。 といったことではないでしょうか? 派遣は、基本的に一時的なものです。働き手にも企業にも様々な利用方法があります。 よく聞こえてくるのは、企業側のコスト面のメリットと、 働き手の一時的な手取り金額の多さですが、それは表面的なもののように思われます。 本質的には、働き手と企業のマッチングに責任もつことが求められます。 そのために必要な派遣従業員への対応が派遣法第3章第2節です。
派遣会社は、派遣スタッフ・登録者について、個々の希望と能力に応じた派遣機会の確保、 教育訓練の確保、労働条件の向上や雇用の安定のために必要な措置を取ることで、 福祉の増進に努めることとします。
派遣会社は、派遣先の指揮命令の下に行われる就業が、 派遣法及び労働法各法に違反することがないように、必要な措置を取る等の配慮をしましょう。
1 派遣会社は、派遣スタッフを雇用するときには、派遣就業であることを明示しましょう。
2 派遣会社が、派遣スタッフ以外で雇用した社員を派遣するときには、 本人に派遣就業であることを明示し、了解を取る必要があります。
1、2 派遣会社は、派遣スタッフの派遣先(派遣受入前も後も)が、 派遣会社と派遣スタッフの雇用関係就労後に、の派遣スタッフを 直接雇用することを禁止する契約を結んではいけない。
1、2 派遣会社は、派遣を始めるとき、派遣スタッフ本人に係る次のことを明示しましょう。 派遣期間に変更があったときには、速やかに派遣スタッフに伝えましょう。 ・ 派遣スタッフ本人を派遣すること ・ 業務の内容、派遣先と就業場所、指揮命令者、派遣期間と就業日、 始業終業時刻と休憩時間、安全衛生、苦情処理、派遣契約解除の時の措置、 紹介予定派遣か否か、その他厚生労働省令で定める事項 ・ 派遣期間制限抵触日
派遣会社は、派遣先へ次のことを通知します。 ・ 派遣スタッフの氏名 ・ 派遣スタッフの社会保険被保険者資格の有無と取得の確認と 雇用保険資格の有無と取得の確認 ・ その他厚生労働省令で定める事項
1、2 派遣会社は、派遣先に対して派遣期間制限抵触日以降に、 同一業務への派遣を行わないことを、派遣先・派遣スタッフに通知しましょう。 通知期間は抵触日1ケ月前から前日まで。
派遣会社は派遣元責任者を選任します。 派遣元責任者は、第6条の事業許可の欠格事由に該当してはいけません。 派遣元責任者の行う業務は次のとおりです。 1 派遣スタッフへの派遣就業・就業条件の明示、派遣先への通知、抵触日の通知 2 派遣スタッフに対してのアドバイスや指導 3 派遣スタッフからの苦情処理 4 派遣スタッフの個人情報管理 5 派遣スタッフの安全衛生のために、派遣先・派遣先の安全衛生の責任者との連絡調整 6 派遣先との連絡調整全般
1、2派遣会社は、派遣元管理大腸を作成し、派遣スタッフごとに次の事項を記載します。 派遣元管理台帳は、三年間保存の保存が必要です。 1 派遣先の名称(会社名) 2 事業所の所在地、その他派遣就業の場所 3 派遣期間と就業日 4 始業及び終業の時刻 5 業務内容 6 派遣スタッフからの苦情と苦情処理 7 紹介予定派遣について 8 その他厚生労働省令で定める事項
人材派遣を業としていない事業主も33条、34条を守るべきということらしいですが、 人材派遣を業としていない事業主は、現実問題として想定されていないようです。
※「第102回国会 社会労働委員会第23号昭和六十年五月三十日(木曜日)」で 藤井恒男議員の質問に答えた、 政府委員(齋藤邦彦氏、野見山眞之氏、加藤孝氏)の答弁を参考にしました。
派遣元は、社会人として常識を持つスタッフ、求められている能力を持ったスタッフを 派遣する義務があります。適任者でなかった場合には、当然交代させます。 適任者でないと知っていながら派遣するのはルール違反です。 派遣元派遣会社には、派遣スタッフに対して雇用主としての責任を負っています。 派遣スタッフが派遣先企業に損害を与えた場合、賠償責任があります。 雇用主としての責任を果たせる、選考、マッチングが大切です。
派遣先企業にも派遣スタッフに対する責任があります。 指揮命令権を持った使用者としての責任です。 いくら派遣元が雇用主であっても、派遣先の指揮命令監督の下に起こった損害に対しては、 派遣先企業にも責任があります。過失相殺の対象です。 派遣元には指揮命令権がないのですから、現場での責任は派遣先にあるということです。 指揮命令、指示、監督をしていなかったという「不作為」も含まれます。
派遣スタッフにも損害賠償請求をされることがあります。 派遣スタッフの故意または重過失によっておきた損害については、派遣元ではなく 派遣スタッフ本人に損害賠償が請求されるケースもあります。 故意であれば当然でしょうが、重過失については、派遣元・派遣先の就業規則内の 懲戒規定対象となるような場合に該当します。
いづれの場合も、ルール違反や義務放棄が一方的に行われることは少ないはずです。 過去の判例では、派遣先、派遣元、派遣スタッフそれぞれの責任や関与を 総合的に判断しています。 派遣先、派遣元間の派遣契約書には、損害賠償の条項を必ず入れて、 万が一の備えをしましょう。 派遣スタッフも就業規則(特に派遣会社の就業規則)をしっかり確認しましょう。 なにも派遣スタッフに限ったことではありません。正社員でも当然のことです。