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派遣法 第3章 第2節 派遣会社の講ずべき措置等

派遣会社の任務・責任って何でしょう? いろいろと考えられますが、実は仕事と人のミスマッチの解消が一番ではないでしょうか? 派遣ではなく、自社採用の募集もたくさんあるはずなのに、働く人も受け入れる企業も 派遣を選ぶのは、選択肢の豊富さと、マッチングのためのコンサルティングが 大きな理由にあげられます。 働く人は、豊富な仕事から自分に合う仕事を選ぶ手助けを受けられる。 受入企業は、派遣会社の面談済み、スキルチェック済みの人材を得ることができる。 といったことではないでしょうか? 派遣は、基本的に一時的なものです。働き手にも企業にも様々な利用方法があります。 よく聞こえてくるのは、企業側のコスト面のメリットと、 働き手の一時的な手取り金額の多さですが、それは表面的なもののように思われます。 本質的には、働き手と企業のマッチングに責任もつことが求められます。 そのために必要な派遣従業員への対応が派遣法第3章第2節です。

第30条 派遣スタッフ等の福祉の増進

派遣会社は、派遣スタッフ・登録者について、個々の希望と能力に応じた派遣機会の確保、 教育訓練の確保、労働条件の向上や雇用の安定のために必要な措置を取ることで、 福祉の増進に努めることとします。

第31条 適正な派遣就業の確保

派遣会社は、派遣先の指揮命令の下に行われる就業が、 派遣法及び労働法各法に違反することがないように、必要な措置を取る等の配慮をしましょう。

第32条 派遣スタッフであることの明示等

1 派遣会社は、派遣スタッフを雇用するときには、派遣就業であることを明示しましょう。

2 派遣会社が、派遣スタッフ以外で雇用した社員を派遣するときには、   本人に派遣就業であることを明示し、了解を取る必要があります。

第33条 派遣スタッフ雇用制限の禁止

1、2 派遣会社は、派遣スタッフの派遣先(派遣受入前も後も)が、   派遣会社と派遣スタッフの雇用関係就労後に、の派遣スタッフを   直接雇用することを禁止する契約を結んではいけない。

第34条 就業条件等の明示

1、2 派遣会社は、派遣を始めるとき、派遣スタッフ本人に係る次のことを明示しましょう。   派遣期間に変更があったときには、速やかに派遣スタッフに伝えましょう。 ・ 派遣スタッフ本人を派遣すること ・ 業務の内容、派遣先と就業場所、指揮命令者、派遣期間と就業日、  始業終業時刻と休憩時間、安全衛生、苦情処理、派遣契約解除の時の措置、  紹介予定派遣か否か、その他厚生労働省令で定める事項 ・ 派遣期間制限抵触日

第35条 派遣先への通知

派遣会社は、派遣先へ次のことを通知します。 ・ 派遣スタッフの氏名 ・ 派遣スタッフの社会保険被保険者資格の有無と取得の確認と   雇用保険資格の有無と取得の確認 ・ その他厚生労働省令で定める事項

第35条2 労働者派遣の期間

1、2 派遣会社は、派遣先に対して派遣期間制限抵触日以降に、   同一業務への派遣を行わないことを、派遣先・派遣スタッフに通知しましょう。   通知期間は抵触日1ケ月前から前日まで。

第36条 派遣元責任者

派遣会社は派遣元責任者を選任します。 派遣元責任者は、第6条の事業許可の欠格事由に該当してはいけません。 派遣元責任者の行う業務は次のとおりです。    1 派遣スタッフへの派遣就業・就業条件の明示、派遣先への通知、抵触日の通知    2 派遣スタッフに対してのアドバイスや指導    3 派遣スタッフからの苦情処理    4 派遣スタッフの個人情報管理    5 派遣スタッフの安全衛生のために、派遣先・派遣先の安全衛生の責任者との連絡調整    6 派遣先との連絡調整全般

第37条 派遣元管理台帳

1、2派遣会社は、派遣元管理大腸を作成し、派遣スタッフごとに次の事項を記載します。 派遣元管理台帳は、三年間保存の保存が必要です。    1 派遣先の名称(会社名)    2 事業所の所在地、その他派遣就業の場所    3 派遣期間と就業日    4 始業及び終業の時刻    5 業務内容    6 派遣スタッフからの苦情と苦情処理    7 紹介予定派遣について    8 その他厚生労働省令で定める事項

第38条 準用???

人材派遣を業としていない事業主も33条、34条を守るべきということらしいですが、 人材派遣を業としていない事業主は、現実問題として想定されていないようです。

※「第102回国会 社会労働委員会第23号昭和六十年五月三十日(木曜日)」で 藤井恒男議員の質問に答えた、 政府委員(齋藤邦彦氏、野見山眞之氏、加藤孝氏)の答弁を参考にしました。

● CHECK! 損害賠償責任

派遣元は、社会人として常識を持つスタッフ、求められている能力を持ったスタッフを 派遣する義務があります。適任者でなかった場合には、当然交代させます。 適任者でないと知っていながら派遣するのはルール違反です。 派遣元派遣会社には、派遣スタッフに対して雇用主としての責任を負っています。 派遣スタッフが派遣先企業に損害を与えた場合、賠償責任があります。 雇用主としての責任を果たせる、選考、マッチングが大切です。

派遣先企業にも派遣スタッフに対する責任があります。 指揮命令権を持った使用者としての責任です。 いくら派遣元が雇用主であっても、派遣先の指揮命令監督の下に起こった損害に対しては、 派遣先企業にも責任があります。過失相殺の対象です。 派遣元には指揮命令権がないのですから、現場での責任は派遣先にあるということです。 指揮命令、指示、監督をしていなかったという「不作為」も含まれます。

派遣スタッフにも損害賠償請求をされることがあります。 派遣スタッフの故意または重過失によっておきた損害については、派遣元ではなく 派遣スタッフ本人に損害賠償が請求されるケースもあります。 故意であれば当然でしょうが、重過失については、派遣元・派遣先の就業規則内の 懲戒規定対象となるような場合に該当します。

いづれの場合も、ルール違反や義務放棄が一方的に行われることは少ないはずです。 過去の判例では、派遣先、派遣元、派遣スタッフそれぞれの責任や関与を 総合的に判断しています。 派遣先、派遣元間の派遣契約書には、損害賠償の条項を必ず入れて、 万が一の備えをしましょう。 派遣スタッフも就業規則(特に派遣会社の就業規則)をしっかり確認しましょう。 なにも派遣スタッフに限ったことではありません。正社員でも当然のことです。

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