
第3節では、労働基準法、労働安全衛生法、じん肺法などの派遣法への適用についてです。 派遣先は、派遣スタッフも自社の従業員と同じ権利を持った労働者として 扱うことが大切です。「派遣さんだから・・・」「人材さんは違うから・・・」はご法度です。
派遣会社と派遣先企業は、派遣契約を結ぶ際に気をつけなければならないことが、 たくさんあります。特に業務内容とその範囲です。どんな業務を、どんな作業を、 どんな就業形態で派遣スタッフにさせるのかは、労働基準法が大きく関係してきます。 派遣契約の際には、しっかりと確認し合い、派遣スタッフへもちゃんと伝えましょう。
1 派遣先との雇用関係がなく、派遣会社に雇用されていて、 派遣先に派遣されている派遣スタッフの就業に関しては、 派遣先も使用者として、労働基準法の第3条(均等待遇)、第5条(強制労働の禁止)、 第69条(徒弟の弊害排除)を罰則規定も含めて適用します。
2 派遣中の派遣スタッフの派遣就業については、派遣先を派遣スタッフの使用者として、 以下の労働基準法を適用します。
以下の労働基準法に基づいて発する命令の規定は罰則規定を含めてを適用されます。
派遣先は派遣スタッフの公民権の行使を拒めないが、 権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、時刻の変更はできます。
派遣スタッフの就業時間は、1日8時間以内、1週40時間以内です。
派遣先は、労働組合、労働組合がない場合労働者の過半数を代表する者との 書面による協定(以下「労使協定」)、又は派遣元の就業規則その他これに準ずるものにより、 1ヶ月単位の変形労働時間制が認められます。
派遣先は、派遣元の就業規則その他これに準ずるものにより、 フレックスタイムを導入できます。 その場合、労使協定により、次に掲げる事項を定める必要がある。 ・フレックスタイム制で就業する従業員の範囲、 ・1ヶ月以内の清算期間、 ・清算期間内の総労働時間、 ・その他厚生労働省令で定める事項
派遣先は、派遣元の就業規則その他これに準ずるものにより、 1年以内の変形労働時間制を導入できます。 その場合、労使協定により、次に掲げる事項を定める必要があります。 ・1年以内の変形労働時間制で就業する従業員の範囲 ・対象期間(その期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間以内で 就業させる期間で、1ケ月以上1年以内の期間) ・特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な期間
災害等避けることのできない事由によつて、臨時の必要がある場合、 派遣先は、行政官庁の許可を受けて、就業時間の延長、休日出勤をおこなえます。 ただし、事態急迫のときには、遅滞ない事後届け可能。 行政官庁が事後届けを不適当と認めるときは、 その時間に相当する休憩又は休日を与え必要があります。
派遣先は、就業時間が六時間以上のときには45分以上、 就業時間8時間以上の時には60分以上の休憩時間を与える必要があります。 派遣スタッフは、休憩時間中を自由につかえます。 また休憩時間の取得については、労使協定で変更が可能です。
派遣先は、派遣スタッフに最低毎週1回の休日か、 4週間を通じ4日以上の休日を与える必要があります。
派遣元が、労使協定を結び行政官庁に届け出た場合、 派遣先は、その協定の範囲内で、派遣スタッフの労働時間の延長、 休日出勤させることができます。
公衆の不便を回避するためにに必要な業務や特殊の必要ある業務は、 厚生労働省令で、休憩に関する規定について、最低限必要とする程度、 別段の定めをすることができます。 但し、この法律の基準に近く、派遣スタッフの健康、福祉を害することがない程度です。 この特例の範囲外の業務(労働基準法別表第一 1〜3、6、7号)
派遣スタッフであっても、次にあげる業務に従事する場合、 労働時間、休憩及、休日の規定は適用されません。 ・土地の耕作・開墾、植物の栽植・栽培・採取・伐採の事業 動物の飼育、水産動植物の採捕・養殖の事業 その他の畜産、養蚕、水産の事業(労働基準法別表第一6、7号林業を除く) ・事業の種類にかかわらず監督業務、管理者、機密事務を取り扱う業務 ・行政官庁の許可を受けた、監視又は断続的労働に従事する業務
変形労働時間制、フレックスタイム制は、18歳未満の派遣スタッフには適用されません。 13歳以上の児童の労働時間は、週40時間を「修学時間を通算して1週間に40時間以内」、 1日8時間は「修学時間を通算して1日について7時間以内」です。 派遣先は、15歳以上で18歳未満の派遣スタッフについては、満18歳まで下記のように 就業させることができます。 ・1週間の就業時間を40時間を限度とし、週に1日4時間以内に短縮する場合には、 他の日の就業時間を10時間まで延長就業可能です。 ・1週間48時間以内で、厚生労働省令で定める時間、1日8時間以内での変形労働時間制。
1 派遣先は、18歳未満の派遣スタッフをPM10:00〜AM5:00までの間使用してはいけない。 ただし、交替制の場合16歳以上の男性はOK 2 厚生労働大臣は、必要と認める場合、地域・期間を限定して、 PM11:00、AM6:00とすることができます。 3 交替制で就業させる場合、行政官庁の許可を受けて、 30分ずれて、PM10:30まで、またはAM5:30から使用することができます。 4 前三項の規定は、下記の事業には適用されません。 ・災害等による臨時の時間外労働の時間延長、 ・土地の耕作・開墾、植物の栽植・栽培・採取・伐採の事業 ・その他農林の事業、動物の飼育、水産動植物の採捕・養殖の事業 ・その他の畜産、養蚕、水産の事業、 ・病気の者や虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業 (労働基準法別表第一 6、7、13号) 5 児童の深夜業務の時間は、PM8:00〜AM5:00まで、 厚生労働大臣が認める場合はPM9:00〜AM6:00時とする。
1 派遣先は、18歳未満の派遣スタッフに、下記の業務に就かせてはいけません。 ・運転中の機械や動力伝導装置の危険な部分の掃除、注油、検査、修繕の業務、 ・運転中の機械や動力伝導装置にベルト、ロープの取付け取りはずしの業務、 ・動力によるクレーンの運転業務、 ・その他厚生労働省令で定める危険な業務、 ・厚生労働省令で定める重量物を取り扱う業務。 2 使用者は、18歳未満の派遣スタッフに下記の業務に就かせてはいけません。 ・毒劇薬、毒劇物その他有害な原料、材料を取り扱う業務 ・爆発性、発火性、引火性の原料若しくは材料を取り扱う業務 ・著しくじんあい若しくは粉末を飛散する場所での業務、 ・有害ガス、有害放射線を発散する場所での業務 ・高温若しくは高圧の場所での業務 ・その他安全、衛生又は福祉に有害な場所における業務 3 危険有害業務の範囲は、厚生労働省令で定めます。
派遣先は、18歳未満の派遣スタッフを坑内で労働させてはいけません。
派遣先は、妊産婦が派遣先に申し出た場合、坑内で行われるすべての業務に 就かせてはいけない。 妊産婦以外でも18歳未満の女性派遣スタッフに、坑内での人力掘削の業務や 厚生労働省令で定める女性に有害な業務に就かせてはいけません。
派遣先は、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性(以下「妊産婦」という。)を、 重量物を取り扱う業務、有害ガスが発散する場所における業務、 その他妊産婦の妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせてはいけません。 この規定は、妊産婦以外の女性にも準用できます。 上記以外にも、厚生労働省令で危険業務範囲が定められています。
派遣先は、妊産婦の派遣スタッフから請求があった場合、 変形労働時間制の取決めがあっても、その他の労使協定があっても 以下の労働時間は守る必要があります。 ・週40時間以内、1日8時間以内 ・災害時等の臨時時間外労働の禁止 ・深夜残業の禁止
生後一年未満の子供を育てる派遣スタッフは、 通常の休憩時間のほか、一日二回少なくとも三十分づつの、育児時間を請求できます。 派遣先は、派遣スタッフの育児時間を認める必要があります。
派遣先は、生理日の就業が著しく困難な女性派遣スタッフが休暇を請求したときは、 休暇を認める必要があります。
3 派遣会社(派遣元)は、派遣先が派遣契約に従って派遣スタッフの受入を行い、 労働基準法の以下の規定、労働基準法令の規定に抵触したときには、 派遣スタッフを派遣することができません。※説明は上記の労働基準法 ・第三十二条(労働時間の規定) ・第三十四条(休憩時間の規定) ・第三十五条(休日に関する規定) ・第三十六条第一項(時間外労働、休日出勤の規定) ・第四十条(労働時間及び休憩の特例) ・第六十一条(深夜業の規定) ・第六十二条(危険有害業務の就業制限の規定) ・第六十三条(坑内労働の禁止の規定) ・第六十四条の二(坑内業務の就業制限の規定) ・第六十四条の三(危険有害業務の就業制限の規定)
4 派遣会社(派遣元)が、派遣先が労働基準法(派遣法内で適用される 労働基準法部分)に抵触しているときに(抵触していることを知りながら)、 派遣スタッフを派遣していた場合、 派遣会社(派遣元)は、前項の労働基準法令の規定に違反したものとみなされ、 違反の内容により、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金、 若しくは6ケ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられる。 尚、違反の計画を知りその防止策講じなかったり、 違反を教唆した場合も同様に罰せられる。 しかし、違反の防止に必要な措置をした場合は、この限りでない。
5、6 派遣法に労働基準法を適用させるための読み替え事項(省略)。
派遣スタッフの受入の時には、自社の就業規則を確認しましょう。
基本的には、派遣スタッフには派遣元(派遣会社の)就業規則が適用されます。 雇用主が派遣会社ですから当然といえば、当然です。 派遣会社は、自社の一般職員用の就業規則のほかに、 派遣スタッフ用の就業規則を用意しています。36協定等就業時間に関する項目は、 派遣先も確認が必要です。 派遣先企業の就業規則は派遣先の一般職員用で、派遣スタッフ用の就業規則を 用意する必要はありませんが、見直すにはいい機会だと思いませんか? 派遣法第3章では各労働法の適用について書かれていますが、 労働基準法他労働各法については、自社の社員も派遣スタッフも 同じように考える必要があります。 派遣スタッフが派遣会社の就業規則に拘束されている部分は、 派遣スタッフ特有の例外として考えても、 その他は自社内で働く者全てが対象と考えられませんか? 派遣スタッフ以外にも、自社内で働いている労働者全員が、 安全で、健康に、そして自社にロイヤリティーをもって就業して欲しいものです。 その為の第一歩に、自社の就業規則のチェックをして見ませんか?